Lime JuiceLimeの活動日記
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車横付け3歩の産地 09:37
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    6月30日(日)の記事になります。

    太平洋側でモタモタしていた梅雨前線も、太平洋高気圧にやっと押し上げられて、日本特有の梅雨らしいムシムシとした天気が戻ってきました。

    私たちは夏の採集が苦手で活動は休み気味・・・この時期を使って、涼しくなったら行きたい産地の下見をしたり、ほどよく冷房が効いた図書館や資料館にて、資料探しに力を入れる時期になります。

     

    昔話になるのですが、数十年前まではガイドブックに載っていた産地に行けば、何かしら鉱物は採集できましたが、最近では採集禁止や枯渇で採れなくなった場所がほんと増えました。

    そりゃあ人が沢山入っている場所に行ったって、成果が上がるはずがありません・・・だから見つけるんです。新しい場所を・・・

    新しい場所?・・・といっても簡単には見つかりませんが、地質を追えば何かと成果が出るのがこの鉱物採集の面白さです。

     

    紀元前6世紀ごろに、中国で活躍した武将が残した戦術(兵法)には有名な格言が多く残されていて、最近ではビジネスや教育の場面でも引用されることがあります。

    その春秋時代に活躍した武将の名前は「孫子=そんし」と言い、その戦術の戦略論を残した書は「孫子の兵法」と言います。

    この戦略論は実際の鉱物採集にも役立つので、私たちは取り入れているわけなんです。

    有名な格言を一つ紹介・・・

     

    「およそ戦いは、正を似て会い、奇を似て勝つ」 漢文表記では「凡戦者似正合似奇勝」だと思う・・・・

    この格言の言っている事は、敵と戦う上ではまずは相手の出方を分析して正攻法で戦い、そこに奇襲攻撃を付け加えるという事を言ってます。 もう少し要約すると、「まず正攻法」と言うのは、相手の心理や戦法を見極めるために、正攻法で探りを入れる事で戦う相手の情報を正しく得る事が出来ます。

    そして奇策に持ち込むにはまずは、相手にこちらの攻め方が正攻法と思わせないと、奇策は成立しません・・・まずは正攻法というのは、相手の予想を正に誘導してから、奇策に持ち込むことで相手の予想を裏切る事を言ってます。

    近年の映画には、この方法が良く描かれています・・・仲間だと思った相手がスパイなどという設定は当たりまえで、恋人が寝返ったり、自分のボスが敵であったりする展開も・・・こうすることで観客を映画にぐっと引き込む事が可能なんです。

     

    これを鉱物採集に例えると・・・

    まずは正攻法・・・地質を見て目的の鉱物が採れそうな場所を探します。(常識的な事、これができないと始まらない・・・)武器があっても使い方が解らない様でそもそも戦う事が出来ません。

    ペグマタイト狙いなら花崗岩地帯、柘榴石狙いならスカルン地帯などなど・・・目的とは違った地質を追ってもしょうがないです。 鉱物産地では限定的に産出した場合を除き、同じ地質地帯なら大体どこでも出る事が考えられます。 しかしなぜか、みんなが掘っているところに行きたくなるのが人情・・・こんな時に奇策を取る事で採集をリードするわけです。

    例えば、標高の違いを追うとか、思い切って谷を探すとか、人が入りたがらない藪が多い場所や、危険な断崖絶壁などをあえて攻め込む事で、新しい場所を発見できる可能性も出てきます。こうすることで採集を追い風に替える事が出来ます。簡単には書きましたが裏をかくにはそれなりの戦略も必要で、岩場などでは登攀技術などを習得する必要が出てきたり、GPSに頼らない地図や地形を読む力も試されます。

     

    私たちも実際の採集には、あえて人が入りずらい場所を探しています。

    例えば、地図上でも解り易い登山道や林道が無い場所、大きな砂防ダムがつながり、見ただけでちょっと行くには苦労しそうな谷、2〜3本ほど谷や尾根をまたがないといけない場所をあえて選択することで、良品を得るきっかけを今まで何度も見つけて来ました。

     

    今回もちょっと意表を突くような、何でもないような広場・・・ふつうここで水晶が拾えるとは思いません。

    最近ちょくちょく足を運んでいる場所・・・鈴鹿方面で大きな高速道路工事が行われています。 この周辺は花崗岩地帯なので、山を切り崩した残土は必ずどこかに運ばれて処理をされています。 こんな場所に出会ったらちょっと足を止めて覗いてみる事も面白いです。

    この様な大きな工事は何年もかけて行われますので、定期的に見て回ると掘っている場所によっては、残土の地質も大きく変わるので、面白い発見ができる事があります。

    またこういう場所は、案外道路の近くにあったりと、意外と行きやすい場所にあることが好都合です。

     

    今回行ったのもそんな場所・・・自動車を止めて3歩で、花崗岩の山を削り取った広大な残土埋立地に到着・・・まさに「車横づけ産地」です。

    埋め立てをして大して時間もたって無いのに、日当たりのいい場所での雑草たちは元気がいいですね。

    とにかく下見なので、簡単なスタイルで入れるのも、こういう産地の魅力! 全部は回り切れていませんが1時間ほどで水晶が拾える事が判りました。

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    普通に見ると、ただの空き地にしか見えません・・・道路を作る為、山の斜面を掘削して道路を付けていた時に出た残土です。

    この場所がどういう場所なのかは、今までの経過を追っていなくてはなかなか判断が付きにくいものです。 私たちは工事のダンプが何台も出入りしていたのをドライブついでに発見して、この場所を見つけました。

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    大していい物は見つかりませんが、このような透明な部分がある石英片や、ペグマタイトの破片が沢山転がっています。

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    表土が雨で洗われているので、そこに顔を出した物をひっくり返してゆきます。

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    雨の流れが大きな水路を穿っています。 こういう場所は特に狙い目です。

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    遠目で見ても、日差しを受けてキラキラと光る物は、拾い上げて行きます。

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    頭が無い水晶

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    煙水晶です・・・こちらは頭がありました。

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    水晶かと思ったら、ただの石英片

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    比較的、形のいいものが落ちてました。 煙水晶

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    拾い上げると全面ありますが、ポイントの一部が欠けていました。

    大して良品は採れませんが、いい暇つぶしににはなると思います。 小さな子供がいても、斜面の緩やかな広い空き地なので危険性も無く、水晶拾いが楽しめそうな場所です。 この場所があとどれくらいこのような状態であるのかは知りへませんが、「車横づけ3歩」の産地はまだまだ気軽に楽しめそうです。

    この場所では1時間ほどで、広大な堆積場の半分ほども歩いていませんが、上の写真のような水晶を5個ほど採集しています。 煙水晶ですが日差しに当たり色あせている物が多かったです。

    時々、雨がパラパラ降ってくるようなお天気でしたが、日差しがあるとかなり暑かったので、近くの自販機で購入した冷たいお茶がとても美味しく感じました。

     

    そうそう、先日トンネル工事の業者さんとお話しするきっかけがありました・・・「掘削中に水晶ができるか?」と聞いてみました。

    昔は、発破で岩を壊しながら進めたので、たまに出たことが有ったそうです。

    しかし最近は、シールドマシンという掘削機を使用する為、先端の刃先で岩石をガリガリと破砕しながら進めるので、砕石のほとんどが5cm以下に細かく割られているそうで、たとえ大きな水晶があっても、機械で破砕されて跡形もなくなってしまうそうです。

    なので近年のトンネル工事現場やトンネル工事の掘削現場では、採ることはまず不可能と思った方がいいかもしれませんね・・・残念です。

     

    ではでは・・・

     

    | 鉱物採集 | comments(8) | - | posted by Lime (ライム)
    Comment








    ちょっとした場所でも地質を見るのは楽しいですね!
    posted by さすらいの鉱物ハンター隊長 | 2017/07/06 8:37 PM |
    毎回limeさんの探索方法には目からウロコが落ちる思いです

    トンネルの掘削方法で残石に鉱物結晶が残らないのは残念ですね
    ただ、石榑峠のトンネル工事の際11cmの長石が落ちていたこともあるし、
    数年前茨城の高速道のトンネルから緑柱石や燐灰ウラン鉱等が採れたそうです
    トンネル周辺の工事では重機で作業ですからひょっとしたらはあるかもしれません


    『孫子の兵法』は「有利な条件で勝つ確率を上げる」ことが書いてあることが多いですが、
    『戦国策』の中の事例のように「不利な状況でも有利になるように謀る」姿勢も面白いですね
    posted by まに屋 | 2017/07/07 8:22 AM |
    さすらいの鉱物ハンター 様

    ほんと地質や石を見るのは楽しいですね!
    私は旅行に行ったりしても、必ずその地方の河原を歩いたり、海が近ければ浜辺を観察したりしますよ・・・
    予備知識が無い場所などは、その場所に落ちている石から上流にはどんな地質があるか推測を立てて、あとから地質図で確認してみると面白い発見がありますよ・・・ぜひ試してみてください。

    ではでは・・・
    posted by Lime | 2017/07/07 8:42 AM |
    まに屋 様

    いつもコメントありがとうございます。
    雨が降りすぎて大変な地方もありますが、こちらはもう少し降って欲しいと思う今日この頃です。

    >トンネルの掘削方法で残石に鉱物結晶が残らないのは残念ですね

    近年のトンネル掘削は、作業が安全になったおかけで、こういった楽しみが無くなってしまいましたね・・・(笑)
    でもシールドマシンが入るのは、トンネルの本坑掘削だけなので、周辺の地山掘削ではまだまだショベルカーで削ることが多く、このような場所は期待できると思いますよ・・・

    私は、長野県方面や中津川方面を通るリニアの工事をすでに追っかけはじめてます。
    実は好機を逃してしまいましたが、新東名高速の工事の際もザクロや水晶が出たと、工事関係者から聞きましたよ・・・
    茨城県のお話は、かなり魅力的なお話ですね! こんなん見つけれたらめちゃくちゃうれしいですね! 面白い情報をありがとうございます・・・(^O^)/

    >『孫子の兵法』は「有利な条件で勝つ確率を上げる」ことが書いてあることが多いですが・・・

    おっしゃる通りですね!!
    そうですね、少しでも不利の状況からの脱出する糸口を見つける方法もあるので、とても参考になります。
    最近ではビジネスの指南にもなってまして面白いですね・・・
    でもある書籍で読んだことが有るんですが、一時教育の場面で活用が広がる兆しが見えたんですが、「不利な状況なら逃げろ的」な内容の物があったり、奇襲作戦的な「ちょっと卑怯な戦術を推奨する内容などもあり」なかなか導入が進まない事実もあるようです。

    お堅い学校教育現場ならではの思考で、残念なことと思った事がありますね・・・孫子の兵法では、「いじめられたりしたら、あえて戦わず逃げる事も大事」なのかもしれませんが・・・たぶん「教育者からは言いたくない言葉なんだろうなぁ」と感じる残念ないじめ事件がたくさん起きています。

    いつも細かなところまで、考察して頂き・・・コメント頂きましてほんと感謝です。

    ではでは・・・


    posted by Lime | 2017/07/07 9:26 AM |
    こんばんは。ブログのぞかせていただいていますが初めて、そして何ヵ月も前の記事にコメントさせていただくのをご容赦ください。三重県住みの者で、鉱物採集といってははばかられるような、石ころ拾いをしています。山での採集を試みようと三重県内、宮妻峡や宇賀峡、松阪の堀坂山など調べたり、本日行ってみたりもしましたが、いかんせん本当に素人、何も見つからない、どこかわからないと言うことが続いております。はてはゴルフ場開発地で出たというので崩れた斜面を見に行きましたが石英片が1つあったのみ。欠けていても、折れていても、水晶が自分で採集できたならどんなに素晴らしいか…。どうか場所のヒントを教えていただけないでしょうか。主さんが情報を集めて探した場所でしょうから無理であれば大丈夫です。こんな失礼なお願いをして申し訳ありません。ダメであれば本当にすいません。長文すいませんでした。
    posted by ポン | 2018/01/02 8:20 PM |
    ポン様

    いつも当方のつたないブログを拝見していただき、ありがとうございます。
    そして今回コメント頂きましてありがとうございました。
    中々苦戦中してますね・・・(笑)
    でもはじめはみんなそうですよ・・・全然気にすることはありませんよ・・・何よりもこの趣味は、「採るか買うか」のどちらかしかありませんよ・・・
    行動する事が一番なので、ちょっとしたヒントをもらうだけで、見方が随分と変わって、自分でも採れる事を実感できると思います。

    そして、この場所は私が見つけた所なので、教える事は可能ですよ・・・ちょっと訳ありなので、詳細はメールにて公表させて頂きます。

    しかしこのオープンスペースでは、場所が他の方にもばれてしまいますので、このコメントを見てくださったら、もう一度、メールアドレスを入れてコメント頂けないでしょうか? 因みにメールアドレスは公表されませんので、ご安心ください。

    ではでは・・・
    posted by Lime | 2018/01/02 11:34 PM |
    おはようございます。返信ありがとうございます。実は昨日一晩考えていて、なんと身勝手な事をお願いしたのかと後悔しておりました。一度や二度、見つけられなかったくらいで、まともに山を登りもせずに、他のかたが一生懸命開発された場所を簡単に教えてくれなどと…顔が赤くなる思いです。主さんの、はじめはみんなそうでふよ、という優しいお言葉にハッとしました。自分でまだまだ探してないところもあるじゃないか、やってないこともある、と。主さんの教えてくれるというお言葉にぐらっとする自分もいますが、やれるだけまた頑張ってみようも思います。主さんのおかげです、私のこんな失礼なお願いに、優しい言葉をかけてくださり、また、場所が荒れるかもしれないのに、他人の私に貴重な情報を惜しげもなく教えてくれようとしたり、本当にありがとうございました。これからもブログ拝見させて頂きます。またコメントなどさせてください。本当にありがとうございました
    posted by ポン | 2018/01/03 8:31 AM |
    ポン様

    こんにちわ・・・お返事は拝見させていただきました。
    それなら・・・あえて無理強いはしませんので、自分なりに探してみてるというのが一番です。 
    基本的な事は勉強されていると思いますが、地質や岩石の事は必要最小限の知識として必要だと思います。「将棋で言うと駒の進み方」程度の知識です。 
    「煙水晶が欲しいのに堆積岩帯を探していてもまず見つからないと思います」これがなぜだか判ればいいのですが、この辺りから・・・というなら誰かの助けがいる可能性が必要と思います。

    あと最近の産地は、以前のよう車横付けの場所はほとんど無いと考えた方がいいです。
    それと、水晶やザクロ石など、俗にいう光物系は探している方が多くて、ネットに出ている産地は、その時点でほとんど採り尽くされている可能性が高いと思ったほうが確実です。

    そうなると、山奥に入らなければいけなくなったりするので、ある程度山歩きの知識や装備も必要となりますので、経済的負担も考慮してください・・・(笑) 
    良品の標本をネットで購入すると、装備一式買えるくらいかかりますが、どちらを選ぶかはその人次第ですので何とも言えませんが・・・(笑)

    私のブログによく登場するMORIさん(旧ハンドルネーム=ころころ丸さん)も、全くの素人さんでしたが、一緒に採集に行きだして1年程度で自分でガマ開けできるくらいに成長しています。
     
    ロスを最小限に抑えてどこを探すかで鉱物採集の成果は大体決まってきますので、これだけネットが発達している中、モタモタして初歩的な事を勉強している間に、ベテランさん達によって採りつくされてしまう可能性もあります。
    なので、ある程度のスピード感も必要となります・・・

    「ポン様」のハンドルネームは覚えておきますので、困ったら・・・今度は「メールアドレスを入れてどの記事にでもいいので連絡ください」
    お時間やスケジュールも合えば、ご同行も可能ですよ・・・

    では今後のご健闘をお祈りしております。 くれぐれもお怪我のないよう、楽しんでみてください。

    ※この場所もトンネルの掘削が終わってすでに2年程立っていますので・・・そろそろ吹付けされるか、アスファルトに覆われて採れなくなってしまう事と思います。 そういう事もあって初心者の方にはぜひ自分の足で回ってみて来てほしいと思い、お返事をさせてもらいました・・・
    私たちにとっては、「たいして貴重な産地でもありませんので」教えることに関しては、ポン様が思っているほど、さほど気にしていませんよ・・・
    しかしここの場で公開するとみんなが押し掛けることで、地域住民などへの配慮もありましたので、こういった形をとらせていただいてます。なにとぞご理解のほど宜しくお願い致します。

    ではでは・・・
    posted by Lime | 2018/01/04 2:21 PM |
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