Lime JuiceLimeの活動日記
アウトドア・鉱物採集・鉱山探索・自然観察・廃墟・ガラクタ収集、その他なんでもあります。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
棚機(たなばた) 笹の節供 16:26
0

    北九州地方で大雨による甚大な災害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

     

    今日は七夕である。

    梅雨前線が、下降して私たちが住む東海地方には、移動性の高気圧が掛かり、梅雨時期とは思えないようなカラッとした空気に包まれていました。 でも気温は上がるそうです。

    巷には「笹の節供」とも言いますが・・・笹と言えば山に行くと遭遇する背丈以上の熊笹は、行く手を阻むまさに天然の要塞です。

    ザックに掛けた小物類は、とりあえずしまっておかないと、ことごとく笹の”おいはぎ”に獲られてしまいます。

    昔突入した熊笹地帯では、それこそクマよけの鈴でさえ取られてしまい、クマに遭遇するかとヒヤヒヤした思いで、笹を漕いだ思い出が懐かしいです。とにかく方向も見失いやすく危険な場所です。

     

    さてこのまま晴れれば、星の川を渡って二人は会えそうですね!

    空気が澄んでいるので、本来なら天の川も見えるかもしれませんが、今日は残念ながら月齢が13で、月輝面が94.2%もあるので、月の光に眩惑されてしまいそうで、天の川が映える”ダークな夜”にはなりそうにはありません・・・

     

    なので、石の天の川でも楽しんでもらえるように写真をアップしました・・・

     

    まず本題に入る前の、いつもの長い薀蓄から・・・

     

    鉱物採集や鉱物を勉強していると、鉱物が紫外線で光る事は意外と知っている事実ですよね 蛍石の蛍光などは有名

    でも鉱物の蛍光を確認するのは、紫外線の波長が大切で・・・通常のブラッライトでは光らない物も有る事は案外知られていません・・・

    なので・・・DIYで作ったUVランプや、ネットで格安の物では鉱物が光らなくて無用の長物となった経験者は多いのではないだろうか?

     

    そして注意が必要なのは、紫外線には潜在的な危険性があって、波長が短くなればなるほど、人体の皮膚、特に気を付けなければならないのは目への影響があります。

    なので、単純なブラックライトでも、人体に有害な短い波長が含まれているので、まったく危険性が無いとは言いきれません。

     

    人体では皮膚などは直接浴びないようにしたほうが無難です 特に目での直視や照射物からの反射光線なども場合によっては危険なので、UVカットのあるメガネをかけた方がいいです。 顕微鏡やルーペで拡大しながら照射させる行為はとても危険で、禁忌行為なので覚えて置いて欲しいです。

    特にUV-Cの短波紫外線は波長が短いため、対象物の奥深く侵入します。 床屋にある殺菌ランプ(透明なガラス管状の蛍光灯)などは、その波長の浸透力を利用して生物の細胞をズタズタに切り裂き死滅させることで、殺菌性を付加しています。

     

    床屋などで見かける殺菌ボックスは、通常は容器の中で、有害な波長の紫外線が外に出てこないような、色のついたガラス版越しに見る事が出来ますが、ランプが裸の場合は、昼間は薄く水色に輝いているだけなので、視認性が悪く点灯しているか判断しにくい事もあり、余計な暴露をしてしまう危険性がありますので、おおわれていない物を点灯させる場合は特に注意が必要です。

     

    紫外線 波長.jpg

    因みにこの短波紫外線を効果的に使用した「鳩の糞害」を防止する”ダークなマシン”があります。(私はこういうの大好きですが・・・)

    この機械は、鳩が集まる場所にセットして使われます。管理されていない野鳩の糞には、紫外線とは比較にならないほどの危険な病原菌が含まれてますので、集まった場所はとても不衛生な環境になります。

    この”ダーク”なボックスは・・・

    前面がマジックミラーで構成されていて、その奥に強力なUVランプが点灯しています。 マジックミラー越しでは、内部のUVランプは点灯しているのは、外からは確認できませんが、このマジックミラーからは強力な紫外線がバンバン出ています。

    鳩はクソバカなので、置かれた装置に慣れてくるとミラーに映る自分の姿を仲間と思い込み、安心して覗きこんだり近くに居座ったりしているうちに、強力な紫外線に目を焼かれてしまうわけです。

    そうすると、視力がどんどん落ちて、周辺の認識力が悪くなり、捕食されたり飛べなくなったりして、自然に数が減ってゆくと言ういシステムです。 鳩は有害な細菌を持った糞をそこらじゅうにします。「平和の鳥」と言う傘に守られた立場なので、簡単には捕獲したり殺したりできませんが、この装置を利用すれば、誰かが手を汚すことなく、まさに自然淘汰を偽装しながら、静かに駆除できる素晴らしい装置なんです。

     

    良く似た物で、こちらは人間用です。

    戦場で使われる双眼鏡やスコープのトラップもあります。 敵がわざと忘れたように置いてある、デジタルの距離表示がついた見た目、高性能な双眼鏡なんですが、実は双眼鏡の中に強力な紫外線レーザーが巧妙に仕込んであるんです。 これを知らずに使うと、一瞬で角膜と網膜までもが焼かれて、水晶体は徐々に白濁してゆき、白内障になってゆきます。 覗いた時は痛みもありませんが、しばらくすると目に異常が出て最終的には失明させるという、とんでもない代物が開発されて使われていました。 まぁこういう敵の罠にはまらないためには「鹵獲品は使わない」を厳守する事が重要なんですが・・・

    簡単に生み出せる高エネルギーな物なので、こういった”ダーク”な利用法もあるという事です。

    因みに溶接のアーク光で目を焼くようなもんです。あれもかなりヤバイです。 あと雷が近くに落ちたり、高圧の電線をショートさせてしまい、強いスパーク光を浴びた人も、失明の危険性があります。

     

    まぁこいつもナイフみたいなもんで、危険性を知ったうえで使えば面白い物なんです。ただ怖がるだけでは科学は進歩しません。

    ぜひ皆さんも紫外線と戯れてくれれば、楽しい鉱物ライフを送れる事は間違いないです。

     

    余談の余談・・・

    実は私の住む地方で、ぼろい社宅があったんですが、1階は作業場と重機の駐車場になってました。 遠目で見てもいつもすごい数の鳩が屋根や工場の周りにとまっていて、やばい感じがハンパ無かったんですが、ある日から鳩の数が減ってそのうち全くいなくなりました。たまたま近くの人に話を聞くと、会社が雇った中国人がここに住み、食材として全部食べてしまったらしいです。

    さすが中国人!上手くいくと下手な駆除機械より効率よく働くかもしれません・・・感無量・・・「4つ足ならテーブル以外何でも食らう」と言われている、4000年の歴史を持った大国には「平和の象徴だろうが、所詮2本足の食材」ひとたまりもありませんでした・・・(笑)

     

    で・・・織り姫様と彦星様の話なんかはどうでもよくなったので・・・(笑)

    なんで棚機(たなばた)なのかは勝手に調べてください。

    さっさと観察に取り掛かります。

     

    まずはじめは・・・岐阜の恵那の石切り場で採集した長石の結晶

    片手に乗るくらいの大きさの物

    IMGP1339.JPG

    正面に黒水晶が埋没しています。

    IMGP1340.JPG

    それをちょっと角度を変えて・・・365nm長波紫外線(UV-A)を照射します。

    この照射器は超強力なので遠くから照射できるのがいいです。

    IMGP1345.JPG

    分析の結果SiO2に微量のウランが含まれていました。たぶん玉滴石だと思います。

    IMGP1349.JPG

    もう一つの照射器は殺菌ランプの253.7nm短波長から、ダイクロイック・フィルターと波長分光フィルターにて、ほぼ可視光領域を除去、波長分光して254nmに強度ピークを持つ短波紫外線(UV-C;深紫外線)を取り出し照射します。

    部屋を真っ暗にしなくても、照射エネルギーが強力なので明らかな、緑色の蛍光発光を認める事が可能です。

    IMGP1346.JPG

    電気を消せば、鋭い蛍光を示して一部残光(燐光)をしました。 励起エネルギーが半端ないんですね・・・

    ウランが入っている場合は、通常のブラックライトでも判別が可能です。

    あえて短波長を使わなくても、長波長の400nmのランプでも蛍光を認めれる場合が多いです。

    IMGP1351.JPG

    こちらは短波で照射、中波長では蛍光の色合いが多少違う事も興味深いです。(なぜかは不明・・・私の勉強不足です)

    輝度の差もあります。

    励起エネルギーの差、もしかすると波長の違いで蛍光発色が異なる物が入っている可能性も考えられるのでしょうか?

    IMGP1353.JPG

    こちらも岐阜県恵那蛭川産の黒水晶と曹長石 艶がある水晶なのに一部が白色のキラキラした結晶に汚染されていました。

    でもこれはこれで、面白い結果に・・・

    IMGP1356.JPG

    紫外線ランプで蛍光が確認され、こちらも玉滴石でした。

    IMGP1358.JPG

    この鉱石は洞戸村のスカルン地帯「恵比須鉱山」で採取した、直径15cm程度の重量感ある標本です

    いぶし銀に輝く部分が閃亜鉛鉱で、白色部分がカルサイト結晶

    長波紫外線では蛍光反応は一切しませんでしたが、短波紫外線で見事な天の川が見れました。(ちょっと大げさ)

    IMGP1359.JPG

    閃亜鉛の結晶と、カルサイトの結晶境界部分に254nmの短波紫外線のみに反応

    現在のところ鉱物種は不明ですが、蛍石なら長波紫外線でも光るので、蛍石ではなさそう

    灰重石かも? かなり半信半疑もっと灰重石なら、もっと白色に近い蛍光発色をするがそれほどでもない・・・どちらかというと深青色蛍光に近い。

    IMGP1362.JPG

    部屋の明かりを消して、同条件で撮影した物・・・(多少拡大してありますが、向きは同じ方向)

    IMGP1361.JPG

    部分的に拡大した写真(ピンボケすみません!!)

    どちらかと言うと、カルサイト部分に蛍光を有する鉱染部がある事が確認できる。 

    自然光で確認しても、カルサイト部分との差異が不明で同じ白色まま、確認できなくサンプリングできない・・・サンプリングでき次第分析をかけてみたいと思っています。

     

    多分これ↓ 非行石?? 「いつもシータを真っ黒な坑道に連れ出してハムエッグ・ランチをしてるパズー、かなりの不純異性交遊少年・・・まさしく飛行少年」

    飛行石.jpg

    かなり無理あり・・・暑くて壊れました・・・

     

    では次は気を取り直して・・・

    IMGP1363.JPG

    あのお騒がせした・・・「笠ヶ岳鉱山」で採取した閃亜鉛鉱の鉱石

    長手方向が18cm程度の重たい原石

    白色部分はカルサイトで同定済み・・・この部分に紫外線を照射

    365nm長波紫外線ではうっすらとピンクに蛍光発色したのが、254nm短波紫外線ではピンクを越して朱色からオレンジに近い蛍光を示しました。

     

    IMGP1364.JPG

    薄明かりの中でもはっきりと解る蛍光反応が出ました。

    カルサイトに・・・金属イオンがドープされている可能性があります。

    よくあるマンガン・イオンかもしれません。

     

    かなり無理やり七夕と結びつけましたが、楽しんでいただけたでしょうか?

    本日はここまで・・・蛍光反応示す鉱物はまだ持ってますので、後日、第2弾を考えています。

    お楽しみに・・・

    この東海地方では、織り姫さんと彦星はなんとか会う事が出来そうですね・・・

     

    長い記事でしたが、最後まで読んで頂きまして感謝です。

     

    ではでは・・・

    | 鉱物採集 | comments(0) | - | posted by Lime (ライム)
    Comment








    << NEW | TOP | OLD>>