夏の訪問者 | 01:37 |
先週の大雨はもうそんな気配すら感じさせぬ・・・晴れあがった空!!
眩しいくらいの太陽が、日本列島をじりじり焼いています。
今日の気温は37℃の体温越えに突入・・・採集当日も36℃代をキープしてました。
そんな夏の暑さにも負けず・・・、元気な学生さん達と鉱物採集に行きました。
私のブログを見てコメントをくれたのがまじまり・・・お二人は京都にある「京都造形芸術大学」の4回生の学生さん達
私から言えば、ちょうど自分の娘のようなお年の、若さあふれる学生さん
こんな・・・しがないおじさんのやっているブログに、コメントを入れてくれた勇気と度胸に内心驚きながらも、若い方にお手伝いできる喜びを感じさせて頂いた一日であった。
「採掘=マイニング」というコンセプトで・・・卒制(卒業制作)を完成させたい。
卒業制作や卒業論文・・・大学を卒業する際、最後の締めになるテーマで研究や制作を完遂する事・・・テーマ選定から含めかなりの苦労があるひと仕事なのだ・・・
「鉱山のあった場所に行って何か採ってみたい・・・」そんな漠然とした内容からも解かるように、鉱物採集については全くの初心者さん達、数回のメールのやり取りにて岐阜県にあった銅鉱山に行く事になった。
あと数か所候補があったのだが、他の候補にあがった産地は今の時期ヤマビルの巣窟・・・初めてなのにそんな過酷な環境に放り込むスパルタでは、折角の鉱物採集の面白さは解かってもらえない、なのでアクセス含め色々と検討した結果、この産地になった。
当日、道路沿いにある蕎麦屋で早めの昼食を取る・・・国土沿いから旧鉱山部落であった限界集落に向かって車を走らせる。
素晴らしく晴れ上がった空は、山の木々の緑を濃くする・・・コントラストは最高!
到着すると最初の難関・・・渡河がある・・・先日の大雨での川の増水を心配していたが、多少水は多かったが渡れない深さでは無かったので良かった!!
とにかく行動力あって、渡河も難なくこなし跡地にあるズリに早々に取り付けれた。
とにかく、炎天下のズリは暑い! これに変わる言葉は見つけられない
二次鉱物の緑色に鉱染した物を手に取り、早速写真で記録するNさん・・・果敢に灼熱のズリを歩きまわって目的の物を集めていました。
スレンダーでちょっと小柄なお二人・・・その体系からは想像できないパワーを秘めています。
Nさんの自己紹介・・・「京造ねぶた」で学長賞を取られた3人のリーダーのうちのお1人です。
とにかく下の写真をご覧ください・・・芸術を志す方は考える事が違う・・・「重力」をテーマにこういうものが出来上がってしまうんですね。なんとも美しい・・・ ただ単に「重力」という言葉だけでなく、そこからブレイン・ストーミングでひねり出した・・・この「ブラジャーねぶた」が完成したらしいのですが、私のような理系頭では思いもやらない事なのだ!! これを見た時は自らの想像力の乏しさを痛感し驚きを隠しきれなかった。
しかもこれってかなり大きいのです。
左側がNさん(中川明衣さん)
詳細なページをご覧なりたい方は、以下のリンクに飛んでください。
http://www.kyotodekuraso.com/t/279
裏話:実はこの記事、数年前に何かで見つけて読んだ事がありました。 凄い物を作る学生さんがいるなぁ〜と感心していたら、今度はその数年後の今・・・記事の中の方と会えるとは・・・ちょっとびっくりで不思議な感覚でした。
これは偶然?もしくは必然だった?
さてさて、このダメージ・ジーンズで参加のYさんは、同じ造形芸術大学に通うNさんのお友達
今回はNさんが一人で参加は危険という事で・・・(笑) ある意味ボディーガード役で参加してくれました・・・(笑)
なぜか?私が渡したルーペで観察して感動してましたね・・・ここでの斑銅鉱(トカゲ箔)は貴重です。
Nさん曰く、創作料理がめちゃ上手だそうです。 実際に学校でも創作料理をテーマに制作物を作り上げて高評価を得たそうです・・・私の話した「小学校の科学クラブの授業:液体窒素でアイスクリーム」に食いついてくれました。
私も料理は芸術の一つと思っています。・・・特に日本食は目でも食べるというくらいなので・・・そんな芸大生が作る創作料理って、想像するだけで美味しそうですよね・・・
http://limejuice.jugem.jp/?eid=41
今回の当事者であるNさん・・・学校の課題で「砂鉄から釣り針を作る」というこれまた難題を克服した人物
私も聞いた時めちゃくちゃ驚きました。
鉄づくりは世の大人でも経験や知識が無ければ、これまた難解な冶金技術の筆頭なので、たたら製鉄なんかもよく勉強されていました。 最近の芸大生はいい意味でヤバイです。
ここで採集される銅鉱石は、黄銅鉱(CuFeS2)です・・・長年の風化作用で表面は焦げ茶色に変色していますが、手に取った時その重さに驚くはずです。
なので、色と重さで見つけてもらいました。
そして、持ってきたハンマーで叩いて割って、断面の美しさや・・・硫黄化合物特有のイオウ臭さも体験してもらいました。
日差がもっとも高い所に登って、ズリの表面温度もじわじわ上がり始めます。 軍手をしていないと、鉱石は熱を吸収して素手では持てない温度になっていました。
染み出る汗に、イチモンジチョウが汗からミネラルを吸いに採集者の周り飛び始めた頃、今日の採集は約2時間程度で終了です。
これ以上は熱中症の危険もあります。
さて自分達で採集した銅の鉱石・・・これからどういう風に一つの芸術として形になって行くか私はとても楽しみです。
帰宅してからも私の興味は尽きませんでした・・・
一つの物にこだわるばかりでなく、こうやって自ら五感を活用、さまざまな目線で見て実体験を積んで得られた経験は、将来新たな道を開く時の鍵になる事は間違いないでしょうね・・・困った時、何かに行き詰った時にその経験は知識の鍵となり、時には逃げ道のバックドアの扉をあける鍵に・・・そして次の世界への扉をあける為の鍵になる事は間違いないでしょうね
これからの新しい社会の変革に携わる若者たちに、少しでもお手伝いできる事が出来て良かったと思いました。
ではでは・・・