Lime JuiceLimeの活動日記
アウトドア・鉱物採集・鉱山探索・自然観察・廃墟・ガラクタ収集、その他なんでもあります。

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鉱山の発電所 20:59
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    寒い日が続いている、みなさん・・・お休みはいかがお過ごしだろうか・・・?

    明日は高気圧に覆われるので、日中は暖かくなるようです。

     

    鉱山を訪問すると、鉱物以外の楽しみがそこにある。(年末に年賀状用の写真を撮影するために久しぶりにここに訪れました。)

    訪問する鉱山の規模によっては、とても大きな遺構が残されている事があるので、鉱物採集は後回しでそういった遺構についつい目がいってしまう。

    私が興味を抱くのは、そういった遺構には、現在ではもう存在していない会社が作っていたと思われる、貴重な機械装置の数々・・・

    または、今の大企業の前身となっていた頃の装置や機械がそこにはまだ存在しているからだ・・・

     

    コンピューター制御でない機械制御を多用したそういった機械類はホント素晴らしい物が多いからだ・・・しかもそれらがとても絵になる。

     

    この場所は、実際に動いていた鉱山のある場所までは、ここから数キロ離れた場所・・・その鉱山の機械を動かしたり照明を維持するための電力を得る為に、水源が豊富な場所に大きな水力発電所を作って、そこから山をまたぎ・・・電気を送電していました。

     

    山道を歩き川沿いの道をたどる・・・そうすると突然!唯一の人工物がが目の前に現れる・・・

    渡るには少し不安げな橋が目の前に現れたら、その発電所はもうすぐだ・・・

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    今回は写真も楽しんで頂くために、私が持っているデジタル一眼の中でも最高級なレンズを持ちだした・・・

    IMGP2123.JPG

    往年のエイヂングによって程よく苔むしたその橋が何とも粋な味わいを見せる。

    IMGP2124.JPG

    橋を渡りしばらく歩くと、突然この人工物が現れる。

    川に面した側は、古い建物には似つかないような、所々割れたその群青色の窓枠が何とも不釣り合いな情景を写し出す。

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    入口は土砂が流入して完全に破壊されているので、そこから中に入る・・・未だに油のにおいが漂うその建屋の中。

    まず目につくのは青色に塗られた古い大きな発電用の水車である・・・建屋があるせいかまだまだこの形状を保っているのがありがたい・・・

    IMGP2125.JPG

    見上げると、引き込み線の古い形状の碍子がまだ残っている。

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    発電機の脇をすり抜けて、ペルトン水車に近づく・・・大きなインペラーを納めている碧色をしたケーシングが素晴らしくグラマラスである。

    ケーシングの中心にみえる錆びたシャフトは、遠心力調速機(ガバナー)から、水流を調整するためのベーンの角度を変える為のリンクシャフトである。

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    リンクシャフトが動くと、水流を調節しているこのベーンが動きます。

    IMGP2127.JPG

    「遠心型調速機=ガバナー」の回転コマ

    発電するには必ず回転数を一定に保つ必要があります。

    しかし、水車は流れてくる水流が変化するため、その都度回転が変化しては、ちゃんとした周波数や電圧が確保できません。

    なので回転を一定に保つためには、発電機に続くシャフトの回転数をこの「遠心調速機」に伝えて、このコマが回転する事で対角に付けられた錘が、回転力の遠心力に力によって広がる作用を使い、それが水流調節のベーンの開度に連動して、決められた回転数を維持するように作られていました。

    今のように、光電管や回転センサーなどが無かった時代でもこうした制御を機械でやってのけていました。

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    このガバナーを調整するためのハンドルです。

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    大きなはずみ車(フライホイール)が付けられています。

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    調速機に付けられていた、オイラーです。(オイルをこの中に入れておいて、機械に継続的に注油する物)

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    古い機械式のタコメーター(回転計)です。

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    機械に貼りつけられた「銘板」と言うものがあるのをご存じであろうか・・・上の写真は、そんな「変圧器の銘板」

    古い機械に貼りつけられた銘板の多くは、このような真鍮製の板を掘りこんで作られた物が多くて・・・素材自体が腐蝕がしにくい事もあって、変色はしているが、そのままの形状を保っている事がある。

    銘板はこの機械の履歴を語る・・・・そんな銘板には、製造年月日なども書かれているので、こういった記された日付からその機械が存在したおおよその年代を読みとる事が可能である。時には稼働していた鉱山のおおよその年代をも知る事が出来る事がある。

    またそこには・・・この機械がどういった機械で、どこの企業が作ったかなど・・・その機械のスペックなどがエッチングという手法を使って、真鍮板に掘りこまれているものが一般的で、現在では大企業になった前身の時代の企業名が入っていると見つけた時には何故かゾクゾクする事がある。

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    古い機械は、この油染みでさえ素晴らしい・・・油が残っているせいか・・・ボルトは錆びずに6角面が鈍い光を反射していた。

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    はずみ車と連結した重厚なギアボックスのケーシング

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    青い窓枠から入って来た日差しが・・・誰も押す事のないスイッチを照らしていた。

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    自らの引きこみ電線よりも多くのツタが絡まった変圧器・・・

    変圧器の外に並ぶ、オイル冷却用のいくつものパイプが何となく有機的な形状を示す。

    こうした古い物で、未だに残っている物も珍しい・・・

     

    さてさて、今年はどんな年になるだろうか・・・

    私は今年も・・・もう少し鉱山を追っかけてみたいと思っている。

     

    国内の鉱山は戦後になり凄まじい勢いで衰退してきました。

    そして近年になって、その当時の事を知るご存命のお年寄りの方々もどんどんと減ってしまっている。

    文献には載っていないような鉱石が採れたいきさつや、その鉱山がたどった歴史などももう少し追っかけてみたい。

    そしてそのついでに、「欲張らない程度の鉱物採集をしながら」そんなタイムマシンを自分なりに操ってみたいとおもっている。

     

    小学校の科学クラブや、自らの科学好きを元にこれからも色々なネタや工作も作りたいと思っているので、機会があればブログにも載せてゆきたいと思っている。もうブログのログを超えた内容で色々と巻き込んでいきたいと思いますので、気になる方はぜひぜひコメントを頂ければと思います。

    それとこのブログの内容については・・・賛否両論あると思うが、時にはブラックジョーク的な言葉遊びも含めて、炎上しないように上手にできればいいかなぁと思っています・・・(笑)

    そんなんで・・・これからも、こんなブログでも見てくださる方が少しでもいるなら、まだまだ続けていこうかと思う今日この頃でした・・・

     

    ではあらためまして、本年度も宜しくお願い致します。

     

    | 廃墟 | comments(0) | - | posted by Lime (ライム)
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