鉱物採集の産地探索方法 | 13:00 |
最近何かと一緒に探索活動に参加してくれている、Mさんご夫婦。
今回も鉱物をどうやって探すかを知りたいという事で、私たちに同行してもらいました。 とても熱心なので感心します。
鉱物採集といっても探し方は色々あります・・・人によってスタイルもさまざま・・・採集したい鉱物によっても臨機応変に対応できる判断が必要です。
先人たちが開拓した解り易い産地から、山奥のほんと知る人ぞ知るような産地まで・・・目的の鉱物を得るためには、大きな石を割らないと見つからない場合も有ったり、川の堆積土砂をフルイ掛けするようなスタイルもあります。
慣れた人に連れて行ってもらい、色々教えてもらった方が早道かもしれません。 でも怠っていけないのは、ベテランさんがどんな場所でどのように探しているのかを盗まないと上達はしません。
最近よく言われるのが、やっぱり行きやすい産地では、採り尽くされて採れなくなってきていること! 古いガイドブックに載っているような簡単な産地では、産地保護が行われない限り、どうしても採り尽くされてしまっています。
でもちょっと視点を変えて、その周辺の谷などを探索してみると予想外の収穫が有ったりします。 上手な方はそのような変則的な視点の変え方や、既成概念にとらわれない採集テクニックを持っている事は確かです。
「人の行く 裏に道あり 花の山 いずれを行くも 散らぬ間に行け」
株取引をするうえで耳にする有名な格言です。
前半直訳「きれいな花を求めて山に行くなら、人が行っていない場所にいったほうが多くの花を楽しめる」と言ってます。
後半直訳「それでも花が散る前に行動しなさい」と言ってます。
これを鉱物採集に置き換えると・・・
どこかの誰かがいい鉱物を見つけると、どうしても同じところに行きたくなるのが人情、人でごった返した産地や、さんざん掘り返されたズリで、いい物を見つける事はなかなか難しいです。 そんな時はちょっと冷静に発想を変えて、脈が続いていそうな対岸の谷を探してみるとかすれば、これまたいい物が見つかるかもしれない・・・とでもいい替えれます。
厳しい産地これも「裏道」です。 人が行きたがらない、ちょっとやそっとでは行けない、なんていうのは裏返せばそこにはまだいい物が眠っているかもしれません。 この「かも?」がポイントなんです。
今回の産地は、私たちが住んでする場所から少し足を延ばしたところにありますが、この周辺は有名な石切り場などが沢山あります。このあたり皆さんが行くところは意外と決まっていてます。 でも沢筋や山中はあまり探索されていません。
そんな谷を遡行して、源流部に向かいます。 ザイルやハードな装備がいるわけではありませんが、登山靴やヘルメットは必須です
滑りやすい谷間を片道2時間程度を谷を遡行しながら落ちている水晶やトパーズを拾います。
川の流れで浸食されて岩肌がむき出しになっています。 同行者さんはまずは水晶などを、解り易い鉱物から採集されたほうが楽しめるかもしれないという事から、それらが出そうな場所を選びました。
とにかく歩き回って、斜面に顔をだしている物から流水の中に落ちている物もすべて手に取って確認してもらいます。
「目ざとい子供の目線」です・・・
私も子供の頃は、石ころや落ち葉、蛇の頭蓋骨などなど・・・なんでも拾ってくるので怒られました。大人になっても結局その延長のような鉱物趣味にはまってます。f(^_^;)
Mご夫妻も煙水晶の大きな頭の部分や、人差し指程度の物など色々なサイズを採られていました。
斜面を探すMご夫妻です。
日差しが心地よくて、探索にはとても良い日になりました。
これ長石です・・・大きいでしょ!! 下の部分は途中から折れています。
大きなザレ場につきました。
先頭は息子で、その次がM奥様とご主人と続きます。 堆積した粗いマサの為、足元が滑りやすく踏み込むたびに足首まで埋まってしまいます。
10m程度上まで続きます。 斜面に露出した石を一個づつ手に取り確認してゆきます。
広く斜面が急なので、踏ん張っているのが辛くなります。
誰かが早く「アタリ」を見つけてくれないと、だんだん精神力が落ちてきます。
息子が斜面からお尻の部分が出ていた黒水晶を発見しました。
こういうのを見るとみんな沸き立ちます・・・モチベーションがあがります。
とにかく少し頭を出しているのを見つけて、掘って行くしかありません。
乱雑に掘ると斜面から転がって解らなくなってしまいます。 転がった先の斜面や谷にも小さな黒水晶は沢山落ちていました。
大きな石英はゴロゴロ出てきますが・・・本命はなかなか出ない!
Mご夫婦さん達は、それでも普通では採れないような、物をいっぱい採集されていました。
3連の煙水晶なんかはとても珍しいと思いました。 そのほかにも煙水晶の上に白い水晶が被った物など・・・これも珍しいです。
家に帰宅して・・・今回最大の物を洗ってみました。
双晶になっていますが、きちんと全面あります。
下の部分は折れているのではなく、結晶が成長しています。
この面が斜面から顔を出していて、キラキラ光っていたので発見でたと息子が言ってました。
錐面と柱面に関しては、長石の細かな斑点が点在しています。
「人が行かない裏道には、まだまだ綺麗な花が沢山咲いてました・・・・」
採集編は終了
番外編
前回採った変形の紫水晶をMご夫妻から研究の為預かりました。 実体顕微鏡なども動員して気が済むまで覗きましたが、まだまだ欲求が満たされていません。
全体的に淡く紫色に色づいていますが、写真でも色の再現ができてませんね・・・実物は藤色でもっときれいなんですが・・・
写真下手でダメですね・・・
ポイントの先端部分
錐面は骸晶状? 多数の蝕像が見られます。(蝕像では無いかもしれません?)
柱面の下側、ペグマタイトから脱落したのか・・・長石の結晶が付いていました。
割れた面には瑪瑙のような成長線が見えます。
内側から外側に向けて、結晶が積み重なるように成長したと思われます。
錐面から柱面に伸びる骸晶部分 この部分が紫色に色付いてますが、下の部分ほど藤色が薄くなってます。
シャープエッジを残している部分は、もとの水晶の結晶面かも?
先端の部分
近くの斜面のガマ粘土ちゅうから採取した、煙水晶の一部(成長が不完全)
これも骸晶錐面の部分に、紫のモヤの様な感じで色付いていた。
同じガマ粘土中から採取された、小さな煙水晶なのだが、スモーキーな感じじゃあなくて、若干黄色を帯びているように見える
ので鉄イオンの影響があるのかもしれない?と思っています。ここに放射線の影響があれば条件はそろうのですが・・・・
では長文お付き合い有難うございました。
今回も鉱物をどうやって探すかを知りたいという事で、私たちに同行してもらいました。 とても熱心なので感心します。
鉱物採集といっても探し方は色々あります・・・人によってスタイルもさまざま・・・採集したい鉱物によっても臨機応変に対応できる判断が必要です。
先人たちが開拓した解り易い産地から、山奥のほんと知る人ぞ知るような産地まで・・・目的の鉱物を得るためには、大きな石を割らないと見つからない場合も有ったり、川の堆積土砂をフルイ掛けするようなスタイルもあります。
慣れた人に連れて行ってもらい、色々教えてもらった方が早道かもしれません。 でも怠っていけないのは、ベテランさんがどんな場所でどのように探しているのかを盗まないと上達はしません。
最近よく言われるのが、やっぱり行きやすい産地では、採り尽くされて採れなくなってきていること! 古いガイドブックに載っているような簡単な産地では、産地保護が行われない限り、どうしても採り尽くされてしまっています。
でもちょっと視点を変えて、その周辺の谷などを探索してみると予想外の収穫が有ったりします。 上手な方はそのような変則的な視点の変え方や、既成概念にとらわれない採集テクニックを持っている事は確かです。
「人の行く 裏に道あり 花の山 いずれを行くも 散らぬ間に行け」
株取引をするうえで耳にする有名な格言です。
前半直訳「きれいな花を求めて山に行くなら、人が行っていない場所にいったほうが多くの花を楽しめる」と言ってます。
後半直訳「それでも花が散る前に行動しなさい」と言ってます。
これを鉱物採集に置き換えると・・・
どこかの誰かがいい鉱物を見つけると、どうしても同じところに行きたくなるのが人情、人でごった返した産地や、さんざん掘り返されたズリで、いい物を見つける事はなかなか難しいです。 そんな時はちょっと冷静に発想を変えて、脈が続いていそうな対岸の谷を探してみるとかすれば、これまたいい物が見つかるかもしれない・・・とでもいい替えれます。
厳しい産地これも「裏道」です。 人が行きたがらない、ちょっとやそっとでは行けない、なんていうのは裏返せばそこにはまだいい物が眠っているかもしれません。 この「かも?」がポイントなんです。
今回の産地は、私たちが住んでする場所から少し足を延ばしたところにありますが、この周辺は有名な石切り場などが沢山あります。このあたり皆さんが行くところは意外と決まっていてます。 でも沢筋や山中はあまり探索されていません。
そんな谷を遡行して、源流部に向かいます。 ザイルやハードな装備がいるわけではありませんが、登山靴やヘルメットは必須です
滑りやすい谷間を片道2時間程度を谷を遡行しながら落ちている水晶やトパーズを拾います。
川の流れで浸食されて岩肌がむき出しになっています。 同行者さんはまずは水晶などを、解り易い鉱物から採集されたほうが楽しめるかもしれないという事から、それらが出そうな場所を選びました。
とにかく歩き回って、斜面に顔をだしている物から流水の中に落ちている物もすべて手に取って確認してもらいます。
「目ざとい子供の目線」です・・・
私も子供の頃は、石ころや落ち葉、蛇の頭蓋骨などなど・・・なんでも拾ってくるので怒られました。大人になっても結局その延長のような鉱物趣味にはまってます。f(^_^;)
Mご夫妻も煙水晶の大きな頭の部分や、人差し指程度の物など色々なサイズを採られていました。
斜面を探すMご夫妻です。
日差しが心地よくて、探索にはとても良い日になりました。
これ長石です・・・大きいでしょ!! 下の部分は途中から折れています。
大きなザレ場につきました。
先頭は息子で、その次がM奥様とご主人と続きます。 堆積した粗いマサの為、足元が滑りやすく踏み込むたびに足首まで埋まってしまいます。
10m程度上まで続きます。 斜面に露出した石を一個づつ手に取り確認してゆきます。
広く斜面が急なので、踏ん張っているのが辛くなります。
誰かが早く「アタリ」を見つけてくれないと、だんだん精神力が落ちてきます。
息子が斜面からお尻の部分が出ていた黒水晶を発見しました。
こういうのを見るとみんな沸き立ちます・・・モチベーションがあがります。
とにかく少し頭を出しているのを見つけて、掘って行くしかありません。
乱雑に掘ると斜面から転がって解らなくなってしまいます。 転がった先の斜面や谷にも小さな黒水晶は沢山落ちていました。
大きな石英はゴロゴロ出てきますが・・・本命はなかなか出ない!
Mご夫婦さん達は、それでも普通では採れないような、物をいっぱい採集されていました。
3連の煙水晶なんかはとても珍しいと思いました。 そのほかにも煙水晶の上に白い水晶が被った物など・・・これも珍しいです。
家に帰宅して・・・今回最大の物を洗ってみました。
双晶になっていますが、きちんと全面あります。
下の部分は折れているのではなく、結晶が成長しています。
この面が斜面から顔を出していて、キラキラ光っていたので発見でたと息子が言ってました。
錐面と柱面に関しては、長石の細かな斑点が点在しています。
「人が行かない裏道には、まだまだ綺麗な花が沢山咲いてました・・・・」
採集編は終了
番外編
前回採った変形の紫水晶をMご夫妻から研究の為預かりました。 実体顕微鏡なども動員して気が済むまで覗きましたが、まだまだ欲求が満たされていません。
全体的に淡く紫色に色づいていますが、写真でも色の再現ができてませんね・・・実物は藤色でもっときれいなんですが・・・
写真下手でダメですね・・・
ポイントの先端部分
錐面は骸晶状? 多数の蝕像が見られます。(蝕像では無いかもしれません?)
柱面の下側、ペグマタイトから脱落したのか・・・長石の結晶が付いていました。
割れた面には瑪瑙のような成長線が見えます。
内側から外側に向けて、結晶が積み重なるように成長したと思われます。
錐面から柱面に伸びる骸晶部分 この部分が紫色に色付いてますが、下の部分ほど藤色が薄くなってます。
シャープエッジを残している部分は、もとの水晶の結晶面かも?
先端の部分
近くの斜面のガマ粘土ちゅうから採取した、煙水晶の一部(成長が不完全)
これも骸晶錐面の部分に、紫のモヤの様な感じで色付いていた。
同じガマ粘土中から採取された、小さな煙水晶なのだが、スモーキーな感じじゃあなくて、若干黄色を帯びているように見える
ので鉄イオンの影響があるのかもしれない?と思っています。ここに放射線の影響があれば条件はそろうのですが・・・・
では長文お付き合い有難うございました。