鉱山探索 内外海鉱山(うちとみ) Vol.3 | 14:22 |
長らくお待たせしました・・・内外海鉱山の続編です。
ブログ用に写真整理や標本の整理をしていたら、予想外に時間がたってしまいました・・・
泊部落からカヌーで出て、松ヶ崎に向かいます。
なぜここだけ頑丈なコンクリートの開口があるのか、不思議に思っていました。 岩盤は丈夫な花崗岩だから必要ないはず・・・
文献や聞き取り調査することで、このコンクリートの存在が解ってきました。
Vol.2にも書きましたが、火薬保管用の火薬庫を作るために掘られた坑道だったそうです。 コンクリートの柱には丈夫な蝶番のあとも残っています。当時はここに頑丈な鉄の扉が付いていたのと推測できます。
実は右上にある坑道とこの「火薬坑;文献ではこの名称で呼ばれています」は内部でつながっています。
ざっくりと書きましたが、赤いラインを境として写真のような岩質になっていると思われます。
ちょうどこの接触部分で鉱化作用がおきているのでしょう
ある人によればこのあたりの鉱床を「小山メツボ」と呼んでいたらしいですが、「メツボ」の意味が不明なんです。何かの方言なのかもしれません。(この名称に関しては、文献にも表記があります)
これから火薬坑に入ります。
この支保杭がある奥に立て坑があったらしいですが、今は水没しています。
縦坑は坑道図を確認すると、小山の下を掘って海側に伸びていたみたいです。 坑道は右上奥に向かっても続いていますが、場が悪くてこれ以上奥には行けないみたいです。
支保杭(材質=松材と思われる)と岩盤の間には「ヘギ」が打ってあり当時の鉱山夫達の仕事ぶりがうかがえます。
※ヘギ=支保杭&坑木と岩盤の間に打たれるクサビ状に切ったの木材。 岩盤と支保の間を埋め、岩盤からの圧力を受けるために使用される。 岩盤が崩れそうになった時には、岩盤圧が高くなり「ヘギ」が潰れる事で「ミシミシ」と音がするので危険を早めに察知できるといわれている。
波や風の影響で内部には多くの漂流物が堆積しています。
上の画像↑「火薬坑」上にある坑道、内部でつながっています。
船着き場を挟んで反対側にある試掘坑道 入り口付近には多量のフナ虫がいますので、気を付けないと天井から落ちてきます。
内部は20mほど進んだら行き止まりで、採鉱量は少なかったと思います。
右側の崩れはこの上にある坑道からのズリだと思われます。
中に動物の骨が散らばっていました。
砂岩質と花崗岩の境目を狙って掘っているのですが、そうとう苦労されたと思います。
坑道内で一番目立つのが、銅を含む鉱石が塩分で二次鉱物化した物「ボタラック石かもしくはアタカマ石」だと思われます。
方鉛鉱など金属鉱物が入った重たい石
花崗岩の所々に、銅の二次鉱物が出ていました。
坑道内や船着き場には当時の鉱石が散らばっています。
今回、坑道内を探索できたのは2か所のみでしたが、20か所以上の坑口が今でも存在しているようです。
今後も随時調査を実施して行きたいと考えております。
機械化もできていなかった、こんな絶海の鉱山を維持していた、昔の人はほんとすごいですね!
マンパワーに感心させられます。
次回は、ここから船で運んだと言われる、小浜市内にある選鉱場跡や、鉱石について報告します。
内外海鉱山 Vol.4に続く・・・・
ブログ用に写真整理や標本の整理をしていたら、予想外に時間がたってしまいました・・・
泊部落からカヌーで出て、松ヶ崎に向かいます。
なぜここだけ頑丈なコンクリートの開口があるのか、不思議に思っていました。 岩盤は丈夫な花崗岩だから必要ないはず・・・
文献や聞き取り調査することで、このコンクリートの存在が解ってきました。
Vol.2にも書きましたが、火薬保管用の火薬庫を作るために掘られた坑道だったそうです。 コンクリートの柱には丈夫な蝶番のあとも残っています。当時はここに頑丈な鉄の扉が付いていたのと推測できます。
実は右上にある坑道とこの「火薬坑;文献ではこの名称で呼ばれています」は内部でつながっています。
ざっくりと書きましたが、赤いラインを境として写真のような岩質になっていると思われます。
ちょうどこの接触部分で鉱化作用がおきているのでしょう
ある人によればこのあたりの鉱床を「小山メツボ」と呼んでいたらしいですが、「メツボ」の意味が不明なんです。何かの方言なのかもしれません。(この名称に関しては、文献にも表記があります)
これから火薬坑に入ります。
この支保杭がある奥に立て坑があったらしいですが、今は水没しています。
縦坑は坑道図を確認すると、小山の下を掘って海側に伸びていたみたいです。 坑道は右上奥に向かっても続いていますが、場が悪くてこれ以上奥には行けないみたいです。
支保杭(材質=松材と思われる)と岩盤の間には「ヘギ」が打ってあり当時の鉱山夫達の仕事ぶりがうかがえます。
※ヘギ=支保杭&坑木と岩盤の間に打たれるクサビ状に切ったの木材。 岩盤と支保の間を埋め、岩盤からの圧力を受けるために使用される。 岩盤が崩れそうになった時には、岩盤圧が高くなり「ヘギ」が潰れる事で「ミシミシ」と音がするので危険を早めに察知できるといわれている。
波や風の影響で内部には多くの漂流物が堆積しています。
上の画像↑「火薬坑」上にある坑道、内部でつながっています。
船着き場を挟んで反対側にある試掘坑道 入り口付近には多量のフナ虫がいますので、気を付けないと天井から落ちてきます。
内部は20mほど進んだら行き止まりで、採鉱量は少なかったと思います。
右側の崩れはこの上にある坑道からのズリだと思われます。
中に動物の骨が散らばっていました。
砂岩質と花崗岩の境目を狙って掘っているのですが、そうとう苦労されたと思います。
坑道内で一番目立つのが、銅を含む鉱石が塩分で二次鉱物化した物「ボタラック石かもしくはアタカマ石」だと思われます。
方鉛鉱など金属鉱物が入った重たい石
花崗岩の所々に、銅の二次鉱物が出ていました。
坑道内や船着き場には当時の鉱石が散らばっています。
今回、坑道内を探索できたのは2か所のみでしたが、20か所以上の坑口が今でも存在しているようです。
今後も随時調査を実施して行きたいと考えております。
機械化もできていなかった、こんな絶海の鉱山を維持していた、昔の人はほんとすごいですね!
マンパワーに感心させられます。
次回は、ここから船で運んだと言われる、小浜市内にある選鉱場跡や、鉱石について報告します。
内外海鉱山 Vol.4に続く・・・・