Lime JuiceLimeの活動日記
アウトドア・鉱物採集・鉱山探索・自然観察・廃墟・ガラクタ収集、その他なんでもあります。

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鉱山探索と鉱物採集の装備(ウェア類と登攀用具)秋〜初冬編 02:46
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    ※1月19日 追記 クライミング道具の使い方 参考ページのリンク先
    http://www.geocities.jp/kyongsea/sub1100.htm
    道具がどんなものか、どのように使用するかなど簡単に書かれています。

    ※1月18日 文章を一部修正
    大きな寒気が入るようで、こんな時は冬山で遭難事故が起きやすくなります。
    休日から山に入る方は注意が必要ですね!

    鉱物採集を始める前はロッククライミングをしてました。 運動音痴の私は特に球技が苦手で、子供の頃は町内のソフトボールや学校での野球やサッカーなどなど・・・ほんと上手く出来なくて、トラウマになるくらいのイヤな思い出しか残っていません。
    でも体を動かす事は好きでしたので、川や海で泳いだり・・・低い山での登山やアウトドア活動は子供の時から大好きでした。
    その中で、本格的なクライミングをするようになったのは学生の時で、色々と教えてくれたアマチュアの登山家の方に出会ってからでした。
    当時はまだまだ開拓されていない、大きな岩場があちこちにあり、そこに連れて行ってくれては、クライミングの技術を教えて頂きました・・・
    運動音痴と思っていた自分でしたが、面白いように岩に登れるという快感を味わいました。
    本格的なクライミングは、2人1組で行います・・・一人が登っている時は、ビレイヤーと言ってもう一人が、その人の墜落に備えて確保する役割がいります。 先行して登る方は、ザイル1本でビレイヤーに命を預けるわけで、お互いのクライミングの癖や、スタミナやスタイルなどを知っていないと、とても難しい役割になるわけです。

    それから数年後、私は事故でバディーを失いました。 その方は単独での登山中に事故で亡くなってしまったんです。
    私はそれから新しいバディーを組むことなく、本格的なクライミングから退きました。 そんな中、ひょんなきっかけで鉱物採集の事を知り、クライミングをしていた時にあった事を思い出しました。
    通常はルート設定(ボルトを打った)された岩壁を登るのですが、時にはルートが構築されてない岩も登りました。 その時に岩壁に空いた大きな穴(晶洞)に水晶が生えていたのを何度か目撃した事を思い出しました。 今から思えば・・・もったいない事に当時は、「そんな物は手をかけて登る為のホールド」という概念しかなかったので・・・クライミング中に手を突っ込み、手を切るといやなので、ことごとくハンマーで砕いて下に落としていた思い出があります。

    当時、鉱物採集を始めたころは、天然記念物に指定されている以外なら、日本国内でも採集できる場所が沢山あり鉱物も多く残っていました。なのでこんな技術を使わなくても、簡単に採集できたいい時代でした。
    でもいつしか採集禁止や立ち入り禁止などと言われるようになり、また簡単に入山できるようなところは、良品がほとんど採取不能になりつつあります。
    そうなると、標本として良い物や大きな物をを求めるなら、人が入ってない産地や、深山にある鉱山のズリを探さなくてはいけなくなってしまいました。 そんな所に行こうと思うと、装備を含めクライミング技術も持っていないと辿り付けない産地も多くありましたので・・・こんな所でクライミングの技術が役に立つとは思ってもみなかった事です。 そんな事で私たちは今のスタイルが出来上がりました。

    ブログを書くようになってから、「装備」についての問い合わせが、メールやコメントで来るようになりました。 これはほんの一部ですが、ちょっと難し産地に行く時の装備を公開しようと思います。

    まずはウェア類から・・・写真下が解説

    IMGA0294.JPG
    この季節は、私はよくこのウェアを着て行動してます。 
    上着=ゴアテックス・ハードシェルはマムート
    中着=インナーはマムート・アルパインエクストリームシリーズのストレッチインナー(オレンジ色の物)
    パンツ=マウンテンハードウエア社製 クライミングパンツ
    ザック=基本ザイルが出し入れが楽な物 60L

    IMGA0295.JPG
    息子は、モンベル製ハードシェル(左)とゴアテックスのマムート製ハードシェル(右)
    マムートのハードシェルは、岩場でのスレや切創にも強く、重宝している。

    IMGA0296.JPG
    左から・・・マムート・ライトフリース、マウンテンハードウエア・ソフトシェルジャケット
    右上・・・マムート・インナー、バーグハウス製パンツ
    パンツ・・・アトランコ社製TRU−SPEC ※BDUパンツ ※(Battle Dress Uniform)

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    アルパインウェアメーカー「マウンテンハードウェア」着易く作りがいい
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    デジタル迷彩のパンツ とにかく丈夫で快適、パターンに応じて使用場所での乾き具合など、繊維の素材が違う。
    パンツ・・・アトランコ社製TRU−SPEC ※BDUパンツ

    http://www.truspec.com/
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    登攀道具、春先から秋口まではこんな装備をザック2個に分けて入れている。
    積雪時や氷結時はここにアイスアックスが加わる。
    ちょっときつい場所であれば、この程度で十分事足ります。
    ヘルメットは必需品

    IMGA0303.JPG
    左から・・・アッセンダー(登高器)ロープを使い登るための器具 特殊な爪が付いていてザイルに噛みこむ事で、上には上がるが下には動かないようになる、スリングやアブミ(簡易梯子)と組み合わせてロープを登る事が出来る
    デッセンダー(エイト環・下降器・制動器)ロープを通して摩擦でブレーキ掛けながら、懸垂下降する時に使用する器具 一人1個持参する。最近は下降の際にも、その下にあるビレイデバイス(ATC)を使う(必ずロック付きカラビナを使用する事)
    プーリー(滑車)2個以上あれば、少ない力で荷物を持ち上げたり、ロープの流れをスムーズに変えたりできる・・・組み合わせれば小さな力でレスキューできるが、物理の滑車の力学が解ってないと上手く使えない。つり上げに人がかかわる場合はアッセンダーやATCを利用して、必ずブレーキや固定が出来るような仕組みを作らなければならなく、中途半端な知識で使用すると大変危険

    真ん中、青と赤のカラビナが付いた物=カムまたは、カムデバイス(商品名=フレンズとかキャメロット)などがある ナチュラルプロテクションで岩の隙間に入れて支点として使う非常に優れた道具・・・だけど価格も高価 行く場所に応じてサイズや種類を選択する。
    その右=ナッツという器具 これもナチュラルプロテクションの一つ、岩の隙間に入れて、引っかけて使用する物。

    IMGA0308.JPG
    このように握ってカムを動かして使用する。
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    先端に付けられた4枚のカムがそれぞれ向きを変えて、岩の割れ目に食い込む事で支点を作りだす便利な器具
    想定される岩の割れ目の大きさで、持って行くサイズを選ぶようにしている。
    登る人が取り付けて、ゼカンドが登る時に回収するのが一般的な方法・・・岩の隙間に無理やり入れると回収不能になり高価な器具を失う事になる・・・専用の取り外し器も持たなければならない! 鉱物採集ではあまり出番がないが、危ない岩場などで作業する場合に、岩の割れ目さえあれば、支点を作れるのでありがたい。ナッツなどと組み合わせて複数に支点をとった方が安全率が向上する。

    カムデバイスの使い方 1月19日追記
    http://www.mcs-proguide.com/newpage/newpage276.html
    私がここで、どうのこうの言うより上記のページを見てもらった方がいいと思います。
    映画「バーティカルリミット」のオープニングシーンではカムデバイスが出てくる衝撃的なシーンがあります。
    リンクがあれば以下を参照
    https://www.youtube.com/watch?v=GvVoO5cKiSk
    IMGA0304.JPG
    スリング類 長さはそれぞれ1m程度から2m程度まで、それぞれを分散して持つ・・・場所によっては本数を変えるなど
    長いスリング類はまとめ方にも一工夫が必要になります・・・

    カラビナ類 いろんなサイズ・形状などがあります。 最近はデザインがいい物はファッション性が高いので、ホームセンターや雑貨店で売られていることが有りますが、この様な物は「ほとんどおもちゃレベル」 実際にクライミングシーンやレスキューで使用する物は耐荷重強度などの表示がある物や、クライミング用と記されている物を信頼できる登山用品店などで購入するようにしてください。
    IMGA0305.JPG
    アイゼン=ガレ場や砂岩質のスラブで使用する。岩壁では5mmほどホールドや岩の隙間に、前爪をかけて登れるが、登山靴との相性があり、初めて購入する方は、かならず専門店で靴に合わせて購入する事、通常の登山では一般的には残雪や雪渓での滑り止めに使うのが一般的な使い方
    ゲイター(スパッツ)靴からすねをカバーする、雨天時や積雪時に付けると快適、寒い時は暖かく感じる。初めはカッコ悪いと思うが、使うととても快適です。

    IMGA0306.JPG
    ロープ(ザイル=最近はあまり使わない言い方)必ずメインとサブを用意する。
    赤はメイン・ロープ ロープ直径は12mm・長さ60m
    青はサブ・ロープ鉱物採集の時はこちらで十分 10mm長さ40m
    実際の登山では、ロープの色を同色にしない方がいいので、色違いでそろえる事、間違いを防ぐため・・・
    たかがロープと言えども使い方を間違えれば、墜落の危険性があるので、ロープワークは覚えた方が良い。
    現場では直接ロープを手に握って登る事はほぼない、ロープを手で握って登れる距離などたかが知れている・・・荷重を支える為の支点を作り、通常は上記の登高器やデッセンダーなどを高度に組み合わせて使用するのが基本、器具やハーネスとの接続方法や回収方法など現場では機転を利かせて使用したい。

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    ハーネス類 ロープと体を固定するベルト、力を分散するように作られているので、必ずサイズにあった物が必要
    女性の場合、トイレの時にいちいち外さなければならなく不便らしい。
    下の2個=スワミベルト(簡易ベルト)念の為持っている・・・レスキュー用と予備

    日帰りでちょっとハードな採集へ行くには、この程度の道具を持っていることで、ある程度のアクシデントや、手の届かないような場所にある晶洞にたどり着く事は可能だが・・・登攀道具は特殊性や専門性が高く、使い方を誤ると重大な事故につながる事が多い・・・ロープワーク含め、初心者の方は、熟練者や登山学校、もしくは山岳会での講習を受けてから使用された方がいいと思う
    生半可の知識での使用で、仲間も事故に巻き込んでは、折角の趣味が台無しになってしまいますので注意が必要です。

    その他、ヘッドランプやピッケル、スコップ・ハンマー・タガネ類などは掲載を割愛しました・・・


    1月19日 追記
    私はたまたまクライミングから入ってますので・・・このような装備を持ってます。
    鉱物採集において「絶対持っていないとだめだ」とというわけではありませんし、興味を持ってもらえるな、今以上に安全に採集ができるわけなので記載しました。
    とにかく安全に使ってもらいたいという事で・・・ちょっと誤解を招く書き方をしてしまったかもしれません・・・不愉快に感じた方にはお詫びいたします。
    こういった道具類は、持っていると今まではあきらめていた様なハードな場所に行けてしまいます。しかし自分の力量や判断力以上に道具に過信すると、重大な事故が起こるシーンを私は何度も見てきました。
    このような道具類は登山用品店やネットでも簡単に入手でき、登山用品店で購入する際も「使い方は解りますか?」などと聞かれることもありませんので・・・ほんと誰でも購入できます。 
    ただ、特殊な物も含まれるため・・・クライミングをやっている方でも、実際に使い方を誤りいまだに事故が起きる事があります・・・
    使用する場合は、まずは低い場所で練習して、どんな状況下場合でも安全に使える事を身に着ける事が大切だと思います。

    ではでは・・・


     
     
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