稀産鉱物を求めて・・・ | 23:02 |
※5/29 一部、文章修正
移動性の高気圧に入って、とてもいい天気な週末になった。
入院していた家族が前日に退院してきたので、少しは活動できるようになったので久しぶりに山に入りました。 下宿している息子も帰ってくるということで、すでに事前に行きたい場所を調べてくれていたので、その場所に行く事にしました。
この場所には、昔に師匠に何度も連れて行ってもらったことがあるが、なぜか大雨に遭遇したり、稜線付近でものすごい霧に遭遇して完全なホワイトアウト状態になったり、同行していた師匠の石友さんが、ガレ場を滑落して足首を骨折する事故にあったりした・・・私にとってはなんとも曰くつきの場所でした・・・
しかし私が鉱物採集を始める前は、クライミングを覚えたとても思い出のある山でもあり、普通の登山から本格的なクライミング、そして沢登り等、山遊びにはホントいい場所だと思っています。
この山には登山道が完備されているが、登山道から外れると突然現れる断崖絶壁は迷い込み遭難から、滑落事故へ導かれるような場所も結構あるので注意が必要で、初心者の方は登山道以外にはなるべく行かないようにしたほうが良いと思う。 そして何よりも力量以上への過信は禁物だと思います。
鉱物色豊かなこの山には、昭和初期以前から数々の鉱山が存在していた場所でもある。 登山道の標識には鉱山跡を記す物も有るので、簡単に行ける所もあり・・・山深く登山道から外れるような場所にも、私もまだ到達できていない鉱山がたくさん眠っている山でもあります。
鉱物採集マニアにとっては、有名な場所がたくさんあり、色々な鉱物が採れることでもマニアには有名な場所だが、鉱物採集ができるような良品を求めるには、高度を上げて標高の高い場所での探索が余儀なくされる場所でもある。
そのため、人が入りやすい場所は、たぶん掘り返されていると思うので、ちょっと行くのをためらうような場所をあえて選んで目的地とした。 事前情報があるわけでもなく、国土地理院の2万5000分の1の地形図に記された場所から選んでみた。
3か所程度候補地を挙げ、最終的には地質図でマッピングして選んだ場所だ・・・
出かける前に最終確認の地図を広げる・・・この場所でペグマタイトが見つかれば、それは採れるかもしれない・・・
茶漬けをすすりながら、地質図に目をやる・・・
天気の崩れはなさそうだが、大きな砂防を越えなければならなく、道があるかは定かではない・・・
探索と、久しぶりの山登りを同時に満喫すればこれまた上等である・・・
駐車して歩き出すが、道なんて20mほどで終わり! 結局このようなかれ沢を行くことになった。 標高が高いせいか、懸念していた蛭はいなかった事が幸いだった。
最初の分岐で、ペグマの露頭を発見
緑の何か鉱物の挟みが入った花崗岩を採集した。 付近には粗粒花崗岩が多く点在している。
マサ化した場所を掘ると、石英の破片と長石の破片が多い
主稜線からの支流沿いにある小さな稜線を目指すと、そこには広大な花崗岩のザレ場に到着
人が入った様子は全く無かった・・・
斜度がきつい場所は、マサが流れてかなり歩きずらい。
そんな斜度がきつい場所で早速ペグマタイト脈を見つけた。
たぶん単独の脈と思われるが、左手方向は上からのマサが堆積していて、全様が分かりにくい場所。
ガマ粘土が出始めて、黒い雲母や長石が多い・・・しかし石英はなかなか結晶化してこず・・・
照り返しの日差しに汗がにじむ・・・
ゴロゴロ出てくる長石片
大きな石英片も出るがなかなか結晶化してくれない・・・ただ今回の目的の鉱物は水晶ではなく、こんなペグマタイトでも出るというからあきらめずに掘ることに・・・
ガマの様子が変わった。今までは掘りやすい粘土質であったが、突然カチカチの曹長石に変化した。
ホジ棒では太刀打ちできなく、結局・・・タゲネに持ち替えて掘り進むことに・・・
とにかく斜度があるので足場が悪くて、タガネを打ち込むのに苦労を要している。
結局この場所はあきらめた・・・
採集できたのは、とにかくしょぼい水晶とペグマ鉱物
思った以上に苦戦させてくれた曹長石の一部
この曹長石から時々出てくるしょぼい濁った水晶・・・全体的に貫入が入り、すぐに割れてしまう取り出すのが苦労した。
飴色した不明鉱物・・・条線がありザクロ石かな? ガマ粘土が軟らかいはじめのうちにたくさん出たが、ほとんどは捨ててしまった。 多少重く感じるが、目的のガドリンではないことはわかる・・・
次に場所を変えてペグマタイトを捜す
ペグマタイトは見つかるが、続かず終わってしまう。
長石片が多い、同じように石英は結晶化せず・・・
これは写真では分かりづらいが、10mほどの崖の端を掘ってます。下に生えた草や崩れた岩が見えます。
やっと出た水晶もこんな物・・・粉を吹いたような表面で全然ダメ
岩場の眼下に谷に広がる緑の絨毯が綺麗です。 ここは端に近寄りがたいような断崖絶壁
ズルッと行ったらまず止まらないでしょう・・・
ガレ場を横にトラバースして自然にできたゴルジュを見て回りました。
めぼしいペグマタイトはありませんでした。
ザイルは出してないけれど、かなりの斜度があります。
粉を吹いたような水晶? ほんと水晶なんですが、もはや面が分からない(笑)
今回はほぼ収穫はなしでした・・・目的の晶洞性のガドリン石はどこにあるのやら?
梅雨に入るまでは、また別の場所を探索してみたいと思っています。
なかなかスリリングな場所でしたが、例のF県の産地とはまた違った地質やペグマタイトで面白いですね
ほかにもこんな場所がたくさんあるので、ボチボチ見て回りたいと思います。
ボウズ覚悟でも行きたい方があれば声かけてください。
ではでは・・・